エッセイ集『夫婦間における愛の適温』が発売されます!
これまで百万年書房Live! さんで連載してきたエッセイが、「暮らし」レーベルから刊行されることになりました! 『夫婦間における愛の適温』向坂くじら(百万年書房) ご購入はこちら(百万年書房公式ショップ)↓ https:…
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九月のある晴れた昼、ハイジニーナにした。そんな小洒落た当世風の言いかたではなんのことかわからず、どこの少女かと思われた方もあるかもしれない。もっと有り体に言おう、隠部の毛をみんな剃った。 ★これまでホームペ…
わたしがショッピングモールを泣きながら歩くとき。それは、プレゼントを探しているときだ。プレゼントをあげることだけが決まっていて、なにをあげるかがどうにも決まらない。そういうときに、いろんなお店をウロウロと歩き回ればアイ…
先にことわっておくけれども、これから書くことは断じて暗喩ではない。いくらわたしが詩人だからといって、ぜんぶの言葉に含意があると思ったら大間違い。いや、むしろ詩人だからこそ、書かれた言葉を言葉の意味そのままに受け取ること…
と言われると、むっ、と思う。どれほど普段信頼している相手であっても、ここから先は少し用心して聞かなければいけないぞ、という構えになる。 「彼女はすぐ感情的になって、困るんだよね。そうなるともうこっちの言うことも聞いてく…
結婚して二年になるが、遊びで愛をやっているわけではない。 夫がわたしのなにに惹かれて結婚したのかは一向に合点がいかないままだが、夫がいまわたしにされて最も不快で、悲しくて、自尊心を傷つけられることがなにかはわかる。そ…
結婚して二年になるが、遊びで愛をやっているわけではない、という意地のようなものがありつづけている。 わたしが忘れっぽくてそそっかしいので、夫は何度も同じことを注意しなくてはいけない。部屋を出るときには電気を消すこと。…
国語教室を開く前は個人で家庭教師をしていた。家庭教師は家庭教師ですてきな仕事で、好きだった。指導自体はもちろんとしても、よその家に入っていって、外国のお茶を出していただいたり、小型犬にメンチをきられたり、エレベーターが…